雨降りしきる
凍りついた大地
胸引き裂かれては
この岬で

海の強さ
空の広さ
少し分けてもらっていた

雲の合間の
ひとすじの光
手を伸ばしては
すり抜けてゆく

空の声を聞き逃さないように
いつまでも見つめていた

大地の声を聞いて
うねる波 空が怒りに満ちている

この地に生まれ
この水を飲んだ
忘れはしない
土の匂い

山はどこへ
森はどこへ
消えていったんだろう

流れは時を駆けて
やがてひとつの道になる

どっしり大地に根を下ろして
共に生きてきた者たちを

思い出して
同じ鼓動のリズム

何もかもが奪われて
白と黒の灰色の世界
ほんの少しの緑さえも

許されることなく
立ち待ち色を失っていった

緑の色を覚えているうちに

共に帰ろう 共に帰ろう

自然は言った まだもう少し待つよ

Composição: